俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜

女心の秋から冬

慶太は、何かにつけては怯えていた。


琴乃が亜希と会う時。
そして
なんとなく、駿祐や紺野の話題が出た時…

いつ、インカレをめぐる話となって、
自分が、それを隠していたことで、呆れられるのではないかと

ビクビクしながら一緒に居るのだ。


それは、慶太が思う、理想のカップルとは程遠く、
ふと、
まだ、つきあってもいない時、
初めて、ふたりがデートした水族館にて、
慶太が気になって仕方がなかった、
あのカップルのことを思い出すのだった。


「そう言えば、最近見掛けねーなぁ。」

「え?何を?」

「ん、なんでもない!」



気がつけば、秋も終わりに近付き、

紺野は受験勉強に
亜希と言えば、
例の合コンで知り合った、あの彼との恋を実らせ、
それぞれ、皆、大忙しだった。


そんな、慶太の心境など、知るワケもない琴乃だけは、
のほほ〜んと毎日を過ごしていた。


それだけ、幸せを実感していたのだろう。


毎日、連絡を取り合っている慶太は、
時間がなくても、メールを欠かすことはなかった。


会えば、いつものように無邪気に接して、笑わせてくれる。


調子良く強引なところも、なぜか許せてしまうし、
それが嬉しかったりもする。


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