俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜
「別れてたりしてな。」

「だったらちとショックだなぁ。」

「そんなことよりさ、今度、年上の女、紹介してくれ!」

「おまえの場合、ラクしたいだけだろ?」

「うん。甘えたい!」

「…おまえにはまだ早い!」

「なんで!俺、結構甘え上手だぜ!」

「気持ちわりぃな〜!想像させるなよ!」

「頼むよ!そんでさ、ダブルデートしようぜ!」

「…ふ〜ん。いいよ。琴乃に言っとくよ。」

「よっしゃ〜!マジで!」

「ホントは、いち押しのヤツ居たんだけど、その人、男できちゃってよぉ!」

「なんだよ、期待させんなよ!」

「でも、今度、成人式あるっつーから…」

「おお〜!成人式〜!なんか興奮してきた!着物かあ!」

「なにおまえが興奮してんだよ!」

「おまえ、着物の帯、クルクルほどくの?お代官様〜って」

「バカじゃねーの。」

「いいなぁ。俺、その日に会いたい!」

「その日は会わねーよ、多分。」

「え、そーなの?」

「だって、なんかあんだろ、きっと。タメ同士。」



慶太は、内心、気が気ではなかった。


年末から正月にかけ、
友達との付き合いとかで、帰って来なかった駿祐の、
成人式用のスーツについて
母親が心配して、電話で話してるのを聞くまでは、

駿祐と琴乃の再会した時の対策など、考えてはいなかった。

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