俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜
三日の日に、顔を出す程度に戻って来た駿祐と
久しぶりに、海に出ていた慶太は、
顔を合わすことはなく

もちろん、慶太が避けたことなのだが、

おかげで
成人式に参加するのか、聞けずじまいでいた。


実家に、姿を見せには帰るだろうが
その時も
どんな顔で会えば良いのか分からない。


“いつまでも、こんな状態ではいられない”と
ただ漠然とは思っているのだが

なんてったって、まだ、高校生!


他にも色々やることがあるし、
夢中になってしまうこともあって
なにかと忙しいのだ。


なら、ただ無視していればいいと、すべてを遠ざけていた慶太。


駿祐のことを、紺野に聞くこともできず、
恥を忍んで、亜希に尋ねたところ、
結局、分からぬまま…


成人の日、当日。


そんな慶太の心配を、知ってか知らずか

駿祐の姿を、式典の会場で見る者はいなかった。
< 166 / 238 >

この作品をシェア

pagetop