俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜
「何が?」

「彼氏いるって!」

「可愛いか聞いただけじゃん!」

「聞いてどうするんだよ?」

「あははは。おまえは、その子のなんなんだよ!」

「なにって、」

「久しぶりに見たその片割れを、すぐに分かったって言うから、よっぽど、インパクト強いんだろうなぁって思って」

「そうなんだよ!彼氏が居なかったんだよ!どうしたんだろ?」

「今から会いに行くんじゃね?」

「いや、学校帰りだよ。制服きてたから。」

「どこ校?」

「…聞いてどーすんの?」

「身元が分かんじゃん!」

「んなことイイんだよ、別に!」

「おまえ、今どこ?」

「え、今から乗り換えるとこ。」

「その子は?」

「とっくに降りたよ。」

「どこで?」

「だから、聞いてどーすんだって!」

「だから、おまえはその子のなんなんだっつーの」

「なんでもねーよ!」

「おまえには“琴乃”と言う彼女がいるだろ!」

「だからイイんだっつってんじゃん!どさくさ紛れに、ひとの女のこと呼び捨てにすんな!」

「おまえが興奮して電話してきてんだろ!」

「そうだけど…」

「ったく!」

「なんか、誰かに言いたくなっちゃって…」

「乙女じゃねんだから!」

慶太にとっては嬉しいことだった。
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