俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜
「あのさ、ちっと聞きたいんだど。」

「ん?」

「おまえさ、琴乃のこと、どう思う?」

菊地は体を起こして尋ねた。

「なんだそれ?」

「見た目って言うか…チビとかっていうんじゃなくてさぁ。」

「…なんかあったか?」

「先に質問に答えろ!」

「ん〜。年上にしては可愛らしいかな?はじめ、女子大生って聞いてイメージしてたのとは違かった!」

「どんなイメージだよ!」

「そりゃ〜おまえ…」

そう言いながら、ジェスチャーでグラマラスな体を表現したあと、ウィンクをしてみせる菊地亮の頭を、軽く叩く慶太は笑いながら言った。


「おまえの中の引き出しは、どこ開いてもそれかよ!」

「じゃあ聞くなよ!」

「…琴乃がさ、自分のことを影だって言ったことがあってさぁ。」

「おまえの?」

「?ちげーよ!光り輝いてないってことだよ!」

「えへへへ?何それ?なんか悩みでもあるんだって?」

「知らん!“アタシは地味だから”って。」

「なんでそんな話しになったの?」

「兄貴の話からはじまって…」

そして慶太は仰向けに寝っ転がった。


「だから、自分は表舞台には出ず、いつも応援する側だって、そーゆー意味の“影”じゃないの?」

「…あれ?なんでそんな話になったんだっけか?」

「まぁ、確かにキラビヤカではないな!つか、そんなのおまえとは釣り合わねーし。」
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