俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜
その女子高生達は、無反応な琴乃に飽きると、いつしか、どこかへ移動して行った。


どのくらいだったのかは分からないが、
琴乃にとって、その屈辱的な時間は、
それは長く感じられ、

その後の観戦にも、かなり響いて、
全く身が入らぬまま、終わってしまっていた。



慶太はと言うと
決勝にまで残り、ビリという、その結果に、

今までに見せたことの無い、闘志に燃えた表情で、悔しさを訴えていた。


その姿は、遠くから客観的に見ても、
それはそれは男らしく、
琴乃の目に、良い意味で焼き付き
そして悪い意味で、心に染みついたのだった。



「高校生に言われたくらいで、なに!!しっかりしてよぉ!」

その話を聞いた亜希は、
琴乃に喝を入れる。


「あたしはイイの!でもケイちゃんが、変にカラカワレてるんじゃないかと思って」

「アイツは大丈夫だよ!」

「…考えてみたら、彼女達は、ケイちゃんに似合いの娘が誰なのか、毎日学校で見て知ってんだよね。」

「お似合い?何それ?」

「あたしとケイちゃん、タイプが違うじゃん。」

「…同じタイプってのは、あんまくっつかないんじゃないの?ほら、無いものねだりっていうじゃん!…自分には無い所に引かれ合うって言うかさぁ。」

「そーは言っても、似合いのカップルって、やっぱり居るよ〜!」

「カップルに見える、ただの友達だったりして!」

「そんなこと絶対ナイって!そうだ、似たもの夫婦って言葉があるじゃん!」

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