俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜
「父の日の“肩叩き券”じゃないんだから、そんな、いつでも何でも言ってよ!」

「え…あ、う、うん。」



亜希とその彼氏ように、
何でも話し合えてる二人なら、
こうして、会える時間が少なくても、
相手に依存することなく居られるのだろう。


琴乃はいつも、慶太のことを考えている。

って言うか、
“気にしている”の方がシックリとくる。


“慶太”だけとは限らないか?


前に亜希が、
“琴乃と駿祐は似合っていた”
と、言ったとことを思い出した。


あの頃も琴乃は、
言いたいことも言えずに、
駿祐の気持ちも、よく分からないままで、
いつもウジウジと気にしていた。


そんな本人は、自分達が、似合っていると、見られていたなんて、
夢にも思うはずがなかった。


はたから見た様子など、
あまり、当てにならないものだとわかれば、
自分と慶太が、どう見られているかなんて、気にしていても仕方がないと、
開き直った琴乃は、


(慶太の笑顔があたしを照らし、導いてくれている限り、信じてついて行こう)

そう心に決める、真夏の昼下がりだった。


「また、明日から泳ぎまくりだね。」

「あ〜!そうだ〜!!」

「頑張れ〜!応援してるから!ねっ!」


いつかは、素直に甘えて
抱いて…
と、本心を告げてみたい。
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