俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜
ブザーが鳴り、3チームとも完璧なスタートをして見せた。

が、

しばらくすると、選手チームが若干リードして2泳者が飛びこんだ。


他の2チームも、コーチが均等に分けたメンバーだ。

どのチームも、タッチして飛び込む、その息はピッタリだったが、

選手チームは、さすがに、いつものメンバーと言うだけあって、トップを譲らない。


第2泳者が戻ってくると、
皆、飛び込む姿勢でその時を待つ。


そして、絶妙なタイミングで飛び込んだ慶太は、
1位との差を、少しだけつめることは出来たが、
変わらず2位のまま、アンカーへと繋いだ。


そのあと、やはり気になるのか、
慶太は自分のチームよりも、
終始、駿祐の泳ぎを見張っている。

きっと無意識なのだろう。


駿祐も意地をみせ、
さほど差が無かった、慶太のチームを追い抜き、接戦の末、2位でゴール。


慶太のチームは3位に終わった。



「いや〜、熱も入ったし、参考にもなったよ!楽しかった。ありがとう!」

「僕も、あの頃とは違う気持ちでここに立ってみて、なんか、感じることがあって良かったです。」

「来年、狙ってるんだろ?逃したら、また4年だもんなぁ。」

「まあ一応。…最終的に、こーなるための、実績になればと思って!」と、

コーチの肩を、ポンっと叩いてみせる駿祐だった。

「嬉しいこと言ってくれるじゃないか!」

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