俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜
「ホントの気持ちはどーなんだって聞いてんだよ!」

「ふーっ。そんなの、聞いてどうすんだ?」

「それは…」

「選んだのは琴だろ?アイツの気持ちを聞いてやれよ。そんなの、今は、おまえしかできないんだ。それでイイじゃねーかよ。」

「アイツ、何も知らねーし」

「だから!それで良いんだって!!」

「!」

「それに俺、人のモノは奪えない性分なんだ…。」

「!…ごめん。」

「このくらい、意地悪言っても、バチは当たらないか?なあ?!」


駿祐は、そう言ってくれても、
やはり、
琴乃に対して、バツが悪い慶太だった。



その日、別々に実家へと帰った二人は、
久しぶりに顔をつき合わせ、家族4人でテーブルを囲んだ。


自然に会話して、笑う駿祐に比べ、
冴えない表情の慶太は、
やはりここでも、バツが悪いようで、

一人、さっさと食事を済ませ、自分の部屋へと引っ込んだ。


琴乃からのメールも見たものの、
はじめて返信をしなかった夜…

一晩寝れば、気分も晴れることを信じ、ベッドに横たわった。


結局、寝つくのには少し時間が掛かりながら、

8時間後の朝、

何もリセットされぬまま
それでもメールは返信したのだった。


『ごめん(>人<)なんか疲れて寝ちまいました。これから部活、行ってきます!』
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