俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜

琴乃の場合

メールの文を編集中、
慶太からの電話を着信し、音に驚いた琴乃は、
その反面、ためらってもいた。


そうしているうちにも、留守電に切り替わってしまい、
すぐに、メッセージを問い合わせ、聞いてみる。


「あー、俺。えーっと、話があります。連絡ください。」


畏まった声に、やはり、メールよりも、生の声が聞きたくなり、
慶太のナンバーを押す琴乃。

自分からかけた方が、覚悟もきめられる気もした。


「もしもし。」

「ごめんね。間に合わなかったの。」

「もう、出てくれないのかと思ったよ。」

「なんでぇ?」

「…ごめん…」

「なにが?」

「聞いてんだろ?」

「あー、うん。でも、何に対してごめんなの?」

「黙ってたこと…に?」

「…あたしね、頑張って思い出してみたの。この1年、楽しかったことで、偏見をおこさないよう気を付けながら…よ〜く思い出して、答えが出たの。」

「!」

「駿祐のインカレの結果がどーのこーのってその前から、あたし、ケイくんのことが気になってた気がする!」

「…」

「たぶん。」

「そこじゃないんだよ、琴乃ちゃん。」

「え?」

「…もし、あの後すぐに、兄貴の怪我のことを知ってたら…どうだった?」

「あ…」

「ホラね。」

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