俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜
第七章 俺の言い訳。

つかの間

大会の結果を、
琴乃は、まるで自分のことのように喜んでいた。


はしゃいだり、時には目を潤ませてみたり、

表情をコロコロと変えながら、無邪気に祝福してくれるその様子に
思わず、抱きしめたくなる気持ちを、グッと押さえるのが、どんなに大変だったことか…


そして俺は切り出した。

「どうする?ディズニーランド…行く?」

「うん!行く行く!」

「…日帰りで!」

「う、うん。」


琴乃の表情が、一瞬、引きつったのがわかった。


「だって、難しいみたいだぜ。この時期、どこも満室だって言うし…どうせなら、あのまわりのホテルが良いもんなぁ!でも…高いんだろうなぁ、やっぱ。」


自分の言葉に沈んだ琴乃を
結局、自分で尻拭いするように、言いなだめている俺。

そして、

「それに、Hなら、どこでもできるしさぁ!」

声を潜め、琴乃の耳元で囁いてみる。

すると、

「ば〜か。」

琴乃は少し恥ずかしそうに、
そして、いつもの笑顔へと戻った。


相手が年上なだけに、
つい、強がったり、知ったかぶったりしてしまうのは、

頼りがいのある、男らしさを強調するための手段でもある反面、
相手に気も使っているという場合もある。


そして、水泳部引退後、
約束通り二人でディズニーランドへと出かけ、

恋人同士と言えるような思い出をつくることができた。
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