俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜
ところが、

彼女に歩み寄るその男は、
以前から見ていたヤツとは違うことに気が付いた。


と言うか、
タイプも全く似つかず、
彼女も、
どことなく気を使っている様にも見えた。



(ふーん。そーなんだぁ。俺にも脈アリってことだな!)




前に駿祐が言った言葉を思い出した。

…「俺は人のモノを奪ったりしないから。」…


慶太は、人のモノを欲しがっているワケではなかった。

あえて言うならば、
欲しいと思うモノが、もうすでに、人のモノだった。ただそれだけだ。



「なんか俺、負ける気しないんすけど!」

「お〜。強気だねぇ。」

「亜希ちゃん、俺、絶対彼女をゲットして、いつか、海に連れてくるから、その時はよろしくね!」

「イイけど…それ、いつ頃になりそ?あたし、結構忙しいのよね〜。あんた達、1年2年と違ってさ!」

「あ〜、年とってっからな…」

「ちょっと!」

「彼女、まだ高校生だけど、ひがんでイジメたりしないでね。」



駿祐と関わらないことでは、
かなり、強気な慶太だった……。
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