俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜
『環境が変わって、まだ慣れないだけだよ!大丈夫!今までだってそうだっでしょ!駿なら、やれるよ!』

何もしらない琴乃は、
応援メッセージを送った。

確かに、駿祐は今、

ちょっとした、ホームシックの様な状態になっていた。


長男の駿祐は、
親の期待を、一心に受け育ってきた。

それなりにこなす長男は、
弟の、良い見本にならなくてはイケなかったため、

両親の、協力的な行為に、甘えはしたものの、

スキンシップ的な甘えや、わがままなどを、
親に向けた記憶が、少なかった。


そんな駿祐は、
自分の気持ちを表現するのが苦手で、

いつものように、その気持ちも押し沈めるのだが、

今回は、時間がかかっていた。



母校の水泳部に、
ΟΒとして顔を出した琴乃は、

偶然にも、
当時の部長だった藤崎と出くわし、
さらに、
これまた、意外な人物に遭遇した。


久しぶりの場所で、
久しぶりの顔を見た琴乃は、少しだけ、はしゃいでおり、

そんな琴乃のことを、

なにかと気になっている様子の、男子部員が
やっと現われた顧問に、呼ばれた。

「お〜い、寺岡!」


琴乃は驚いた。


その男子部員は、

駿祐の弟の、“慶太”だったのだ。
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