俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜
琴乃は、
そのことを、駿祐にメールで報告した。

すると、すぐに、

琴乃のケータイの、電話の着信音が鳴り響いた。


「はい。」

「なんで?」

「え?」

「案内するほどのモンじゃねーだろ?」

「う〜ん。でも、つきあいって言うか…」

「毎日会ってんじゃん。」

「そうだけど…」

「ふーうっ…いいよ!勝手にしろ!」


一方的に電話を切られ、

はじめての、そんな駿祐の態度に、
ただ、驚くばかりの琴乃は、

すぐには、電話をかけ直すことなど、できなかった。


そして、冷静に考えてみれば、

去年、

高校生になったら、
ふたりで一緒に行こうと、約束していたことを、思い出した。

しかも、言いだしたのは、自分の方だったのだ。


慌てて、電話をしたが、
電源が切られてしまっていた。


仕方なく、メールを送っておこうとしたものの、

何と言葉に残したものか…
しばらく考え、

高校の友達に、明日、断ることを決めた。


そして、

『ごめんなさい!あたし、すっかり忘れてた。向うは断るから、一緒に行ってください。待ってます!』


精一杯の気持ちを込めて、送信ボタンを押した。

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