俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜
すると、

その電車の中に、駿祐らしき姿を見かけ…

琴乃は、気がつかないフリをして、
離れたところに立っていた。


駅を3つほど、過ぎたあたりで、

琴乃の方に近づく、人の気配を感じた。


「海?」

琴乃の様子を見て、そう尋ねるのは、駿祐だった。

「うん。」

「高校の友達と?」

「うん。…部活?」

「…男も一緒?」

「!…わかんない。」

「一緒なんだ。」

「…」

「…やだな…」

「え?」

「……行くなよ…」


次の駅で、電車のドアが開くと、

駿祐は、琴乃の手を掴んで、
ホームへと連れ出した。


「ちょ、ちょっと!?」

「こっちが聞きたいよ!」

「なにがぁ?」

「おまえにとって、俺は、何だったんだよ!」

「…」

「俺のこと、何だと思ってた?」

「だって!」

「だって、なんだよ?」

「駿には、目指すところがあって…それも、すっごく高いところで…あたしなんかとは、住む世界が違うから、」

「俺だって、同じ、高校生だよ!」

「同じじゃないよ!」

「なんだよ、今になって!」
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