俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜
「紺野、おまえは相変わらずだなぁったく。」

先生は、呆れながらも懐かしそうだ。


「おかしいなぁ。ホントにハガキ届かなかった?」

遠藤が気にしていると、

「あ〜、琴ちゃん!駿の面倒も、ちゃんとみてやらないとぉ。」と、

誰よりも、シラフと思えない大きな声で、
琴乃のことをイジリだす紺野に、

「紺野!…そんなの、ハガキなくした言い訳に決まってんだろ。」

やっと、駿祐が口を開いた。


「え、そうなの?」

「遠藤が、そんなミスするわけねーじゃん。ねぇ、遠藤さん…ごめんね。」

そう言って、駿祐が遠藤に微笑んで見せた時、

「良かった〜!」

安心するその顔が、
一瞬、赤く染まったのを、琴乃は見逃さなかった。


「おまえが騒ぐから、俺のバツが悪くなるだろ!イイから、早くビール持ってこい!」


駿祐に言われ、

「そうだよぉ。乾杯まだだよ〜」と

飲み物を催促しにいく紺野を、皆は笑う。


「なんだぁ、二十歳になったばかりにしては、随分と場慣れした感じだな。」

先生が言うと、

「先生!俺なんか、来月はもう、21だよ。」

駿祐は答えながら隣に座った。

「そうだよなぁ。早いよなぁ。これからはもっと早いぞ、寺岡。」

「そうっすね。」

「元気でやってたか?」

「まあ、なんとか…。」

「弟も元気か?」
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