俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜
それにしても、

将来、自分がどうなりたいかと、
目標を持って、大学に進む者が、

いったい、受験生の何割を占めているのだろうか?


医学部や法学部へと進む者は、ともかくとして、

とりあえず進学した者達は、
そのあと、どうしたのだろうか?


考えただけでは、まったくもって解決せぬまま、

今、こうしているワケで…


やはり、
駿祐の様な逸材は、
本当に稀だし、羨ましいし、

嫉ましくも思えてならない、
今日この頃の琴乃だった。


多分、それは、
自分の身近な存在にある者だけに、尚更なのだろう。


「紺野君!いつか俺にもダイビング、教えて下さいよ!」


シラけた空気を打ち消すように、慶太は言った。


「おう!どんだけ速く、長く泳げても、プールだけじゃつまんねーと思わねーか?」

「いや、そんな大げさなものじゃないっすけど、なんか今、せっかくなら、縦にも挑戦してみたくなったっす!」

「ちょっと!紺野の話は、マジで聞いちゃダメだよ、慶太君!」

「なんでだよ〜、琴乃ちゃん!」

「ソレもそうっすね!」

「おいコラ!ケータ!」


(そうだ、そんなことを言ったら、駿祐の弟である、慶太はどうなる?!…あたしなんかより、ずっと身近な存在にある彼は、いったい、どんな気持ちなのだろう?)
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