俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜
数日後、

学校帰りの琴乃は、
不意に、中学に顔を出していた。


まだ、プールも開いてない、この時期に、
いったい、何をしに来たというのか?

自分でも分からなかった。


まだ、体力トレーニング中の水泳部員。


送別会で会って、知っている顔も居る中に、

慶太の姿がない。


「あれ?部長は?」

「多分、まだ、体育館だと…」


部員に言われ、
体育館を覗いてみると、

そこでは、バレーボール部が練習中だった。


そして、辺りを見渡せば、
なんと、そこに、
部員と一緒になって、
レシーブや、アタックをする慶太が居るではないか!


まだ、顧問が居ないのを良いことに、やりたい放題な慶太。


そんな、自由で楽しそうな彼を見ると、

つい、駿祐の中学生時代と比べてしまうのだった。


駿祐が、授業に関わるコト以外で、
こうやって、仲間とスポーツをしている場面など、

琴乃は、見たことが無かった。


余計なことをして、怪我でもしたなら、一大事だったからだろう。


あの頃の琴乃は、
そんな駿祐を、可哀想と思っていたはずだった。


そして、
送別会の帰りでの、
紺野の話の続きを思い出すのだった。
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