俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜
〜〜「紺野は、その寺岡家事情をいつ聞いたの?」

「中学ん時かなぁ。」

「え?」

「1年の時、水泳部に誘ったら話てくれたんだ。」

「…」

「アイツ、家族のために泳いでるんだぜ!」

「…ホントだね…」

「今となれば、その努力が自分の肥やしになったけど…」

「そ、そうじゃん!」

「他に、何も見向きもせず、ただひたすらにだゼ…アスリートって、皆そんなもんなのかなぁ?」

「…凡人には…分からない世界だよね…」


琴乃は、いつかの自分の言葉を呟いていた。


「俺には耐えられないなぁ。」

「!」

「ソレ以外を知って、楽しんで、思い出ができた俺なんかが、
ソレしか、知らなかったことを想像すると…なんて淋しい青春かと思うよ。」


琴乃は、泣き出しそうなのを、グッと堪えていた。


「確かに俺にはさ、栄光とか、誇りとか…誰もが認めてくれるモノは、何も持ってナイけどさ!
“いつか、俺だって…今じゃなくっても、何かで”って、思うんだけど、それって違うかな?」

「…分かんない。」

「え!ひでぇよ、琴乃ちゃん!」

「(本当だ!あたしはヒドイ!)
だって、人の気持ちなんてそれぞれだし、言ってくれなきゃ分かんないよ!(あの時も、今も、自分のことで精一杯だ。)」


「…なんかあったか?」

「へ?」

「あのさ…俺、駿祐と琴乃ちゃんは、何かアルって思ってたんだけど…違かった?」
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