俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜
小さい嘘と大きな嘘
「柴田さんのお宅ですか?」
「はい。」
「あ、寺岡ですが、琴乃さんはいますか?」
「……今、ちょっと居ないみたいで…」
「ああ、そうですか。それじゃあ…」
「嘘です。」
「え?」
「慶太くんでしょ?あたしだよ。」
「なんだよ、も〜!」
「どうしたの?」
「この前、帰っちゃったから、あれは何だったのかと思って。」
「あ〜、だよね。近くにいたから寄ったの。ほら、送別会で皆と会って、なんか懐かしくなっちゃって。」
「生霊かと思ったよ。」
「ヒドイなぁ。」
「…夏、また来て下さいよ。」
「…んー。」
「この間、久しぶりに怒られて、ビシッとしたって言うか…」
「ごめんね。怒るつもりは無かったんだけど…」
「俺、後輩にはガンガン言いまくってんのに、ホント、琴乃ちゃんの言う通りっすよね。」
「よく、今まで誰にも言われなかったねぇ。」
「水泳に関しては、タメも新顧問も、俺に遠慮してくれてるから…つい。」
「良くないねぇ。」
「調子にノッてました。…俺、水泳で誉められたの、初めてだったから…クラブ時代は兄貴と比べられっぱなしで、なのに、ここではモテはやされて…」
「…」
「はじめは嬉しくて頑張ってたけど…」
「なるほどね。」
「兄貴から、聞いてません?」
「え!…うううん、何も。」
「はい。」
「あ、寺岡ですが、琴乃さんはいますか?」
「……今、ちょっと居ないみたいで…」
「ああ、そうですか。それじゃあ…」
「嘘です。」
「え?」
「慶太くんでしょ?あたしだよ。」
「なんだよ、も〜!」
「どうしたの?」
「この前、帰っちゃったから、あれは何だったのかと思って。」
「あ〜、だよね。近くにいたから寄ったの。ほら、送別会で皆と会って、なんか懐かしくなっちゃって。」
「生霊かと思ったよ。」
「ヒドイなぁ。」
「…夏、また来て下さいよ。」
「…んー。」
「この間、久しぶりに怒られて、ビシッとしたって言うか…」
「ごめんね。怒るつもりは無かったんだけど…」
「俺、後輩にはガンガン言いまくってんのに、ホント、琴乃ちゃんの言う通りっすよね。」
「よく、今まで誰にも言われなかったねぇ。」
「水泳に関しては、タメも新顧問も、俺に遠慮してくれてるから…つい。」
「良くないねぇ。」
「調子にノッてました。…俺、水泳で誉められたの、初めてだったから…クラブ時代は兄貴と比べられっぱなしで、なのに、ここではモテはやされて…」
「…」
「はじめは嬉しくて頑張ってたけど…」
「なるほどね。」
「兄貴から、聞いてません?」
「え!…うううん、何も。」