俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜
「琴乃ちゃん、兄貴と仲良かったよね?」

「!」

「メールのやりとりしてたっしょ?」

「…知ってたの?」

「まあね。で、今は?」

「今は全然だよ。もう、随分…」

「喧嘩?やっぱ、高校とか違うと、上手くいかないものっすか?」

「…なぁに?もしかして、今後の参考にしようとしてる?」

「まあ、…ちょっと。」

「じゃあ、一つだけアドバイス。」

「はあ。」

「女の子の名前に“ちゃん”って呼ぶのは、気を付けた方がいいかな。」

「あっ。」

「あたしは馴れてるけど、馴々しく思われたり、勘違いされたりするかも。」

「ごめん。紺野君が、そう呼んでたから。」

「アイツは、そーゆー奴なの。」

「名字が分からなかったから。」

「へ?」

「今も、卒業アルバムから電話番号を探してさ、琴乃って一人しか居なかったから、柴田ってわかったみたいな…」

「そうだったんだぁ。」

「だから、このことは内緒に!兄貴の部屋、黙って入ったって、バレるのはマズイんだ。」

「ぷっ。了解!」

「それから…」

「ん?」

「琴乃さんってのは、どう?」

「あは。あたしはイイけどね。」

「じゃあ琴乃さん、絶対、また来て下さいよ!」

「…考えとく…」

「待ってますから!」
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