俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜
「8月末に県の大会あるんでしょ?この前は、受験がどうのこうのって言ってたし…なんか、大変そうっすもんね。」

「ま、有終の美をかざるため、もうひと頑張りかな!そっちこそ、引退の覚悟は出来てるの?」

「そんな、いつでもΟΚっすよ〜。」

「それは、負ける気しないってこと?」

「…引退の準備は調ってるってこと。」

「へぇ。あっさりしてるんだね。」

「俺、水泳にばっか、執着してないっすから!」

「で、高校では?」

「勘弁!兄貴とは違うし。」

「わかんないじゃん!慶太くんだって、」

「やめてくださいよぉ。兄貴ですら、スカウト集団の強豪校が相手じゃ太刀打ちできないんすよ…やるだけ無駄!」

「なんてゆーか、君もそーとー負けず嫌いだね!」

「何言ってんすか?負け犬って言うんだよ、こーゆーのは。」

「負けるのがイヤだから挑まないんでしょ?ある意味、負けず嫌いじゃん!」

「…」

「しゅ、お兄さんだって、高校最後だもん…意気込みが違うから、今年はインハイだって分かんないよ〜。君だって、やってみなきゃ分かんないのに!」

「…土俵が違うよ。おまけに、3歳も離れてちゃ、もう、競えねーし。」

「大学があるじゃん!」

「俺がアイツに?追いつくかよ…」

「いいね、尊敬できる兄貴。うちの兄貴はなんとかならないかな?」

「アイツが異常なんだ」

「…ホントだよね…スゴいもん。」

「…琴乃さん、あのまま続いてれば、スターの彼女だったのにって感じ?」

「まさか!」
< 50 / 238 >

この作品をシェア

pagetop