俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜

秘められた思い

「もしもし、琴乃?寺岡、インハイ決まったって?!」

「あ、亜希。」

「ちょっと凄いじゃ〜ん!ねぇ、応援行こうよ!」

「え〜!」

「だって、めったにないよ!せっかく知り合いが出るんだから!」

「だって、今は…」

「頑張ってほしくないの?ほしいでしょ!」

「それは、そうだけど」

「決まり!じゃあ、細かいことは、紺野にいろいろ調べさせるとして…」


そう、紺野こそ、
知る人ぞ知る“水泳馬鹿”で、

自分自身も、やるだけやって、悔いは無く、

こうやって、自分には関係のナイ、
あらゆる水泳大会の結果にも詳しい。


冬でも“夏が歩いてくる”と、
皆に言われていたほどだった。


駿祐との違いはと言うと、

成績はともかく、

“あつくるしい”か、“爽やか”か、だそうだ。


(紺野こそ、駿のことをどう思っているのだろう?)


応援していることは、間違いないが、

(慶太君の気持ちに、一番近づけられるのは紺野なのかな?だからあの二人、仲がいいのか…)


琴乃が、インターハイの話を知っていたのも

部活帰りの慶太を引き連れ、
紺野が琴乃の家へとやって来たからだった。


紺野は、自分のことのように興奮し、喋りまくっていた。
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