俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜
上手く、話を切り替えた慶太にしても、

ここまで奥手な琴乃を見ると、

いくら、頼まれたとは言え、

駿祐の居留守に荷担した
あの夏祭りのことに

責任を感じずには、いられないでいた。



「わるかったな、遅くなっちまって。」

「ああ、平気っすよ。」


琴乃が家ヘと戻り、
紺野は次に、慶太を家へと送っていた。


「俺、おばさんに謝ってやるからさ。」

「…ホントに紺野君って、面倒見イイっすよね。」

「そりゃー、俺が誘っちまったからさぁ。琴乃ん家。」

「琴乃さんのことは、特に世話するよね?」

「!そうか?」

「よく言うよ。わかってるくせに。」

「フッ。だよなぁ。癖なんだよ…中学ん時からの」

「癖?」

「その時、好きだった女に頼まれて、俺は駿祐を、その娘が琴乃をフォローしてたんだけど…高校に行ってまではムリだったなぁ」

「当たり前だよ!ガキじゃねんだから、そんなの自分達で」

「高校いけば、おまえもわかるよ。」

「…」

「同じ高校だから別れナイとも限らないし」

「それ紺野君のこと?」

「俺の恋は実らなかったんだよ」

「人のこと世話してる場合かよ。」

「おまえはどうなんだよ?」

「俺、いるもん。彼女。」
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