俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜
「俺だって、それなりには…あったよ!」

「そうなんだ。」

「そうだよっ。それより琴乃だよ!マジでアイツ、どうなってんだろうな?」

「なんなら、紺野君がつきあっちゃえば?」

「そりゃーナイだろぉ。」

「なんで?…兄貴に気ィ使ってんの?」

「…タイプじゃないの!」

「ふ〜ん。俺は結構イケるかなぁ。」

「ほ〜う。」

「遺伝子かな?」

「そこは認めるんだ?水泳では、駿祐と一緒にするなって言ってたくせに。」

「冗談だよ、冗談!」

「なんなら、仲、取り持ってやろうか?」

「それ、言う相手が違うんじゃね?」

「これでも、昔は色々お節介したんだよ。でも、ダメだったなぁ…あのふたり。」

「俺、今、彼女できたばっかなんだよなぁ。」

「おまえ…マジで言ってる?」

「俺と琴乃さんって状況に、兄貴が耐えられるのかな?…そのへん、確認してみてよ、紺野くん。」

「……そのうちな。」



慶太を送りとどけると、
母親が、あがっていくよう、迎え出てくれた。


紺野自身も、

駿祐に、面と向かって、
奮闘をたたえ、何か一言でも投げ掛けてやるつもりでいたのだが、

まだ戻ってなかったので

家にはあがらず、
そのまま、引き返すことにした。


途中、おもむろに携帯を取り出した紺野は、

ひとつため息を吐くのだった。
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