俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜
そして、メールを打はじめたその画面には、
駿祐のアドレスが引き出されていた。


『今、おまえんち寄ったのに、いなかったから、帰るぞ。インハイ出場おめでと。持ってる力、出し尽くして頑張れよ!』


そう送信したあと、

紺野は、畳んだ携帯をしまわずに、
しばらく見つめていた。


すると、

ライトが点灯をはじめ…


「うい〜す。」

「ああ、今どこ?」


駿祐から電話が入った。


「家に向かってるとこ。」

「今、もう俺、タバコ屋過ぎたから」

「ん、じゃあ、そっち行くあ。」


5分もしないうち、
ふたりは、顔を合わすこととなる距離に居た。


「やったな。」

「やっとだよ。」

「観に行くからさ。」

「いつも、ありがとな」

「…応援、誰か他に、ご希望はありまっか?」

「別に。」

「いいのか?」

「なにが?」

「…もう、駿ちゃんたら、分かってるくせに!」

「は?」

「琴乃ちゃんのこと、もう、解放してやれば?」

「フッ、ワケわかんね」

「話くらいしてやればって話だよ。」

「…」

「一言だけでもさぁ。」

「何をいまさら?」
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