俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜
「お互いのために…」

「なんだよそれ。」

「せっかくイイことがありそうなのに…」

「?誰に?」

「おまえにも、琴乃ちゃんにも。」

「イイこと?」

「俺には見える!おまえの栄光と…琴乃ちゃんが、心から笑ってるとこが!」

「…」


“何を言ってんだ?”といった顔の駿祐を

チラッと横目に見た紺野は、
子供の様に無邪気に続けた。


「18で彼氏の一人もいないなんて、何か問題アリと思われるぞアイツ…それか、もの珍しがられてチャラいのに集られちゃって…琴乃ちゃん恋愛経験ないから、すっかり騙されちゃったりなんかして」

「俺のせいかよ?」

「良い終わり方じゃなかったろ?琴乃ちゃん、恋愛トラウマなんじゃね?」

「大袈裟だよ。たかが」

「おまえにとってはな!」

「!」

「ま、馬鹿じゃないから、ヘンな野郎には捕まらないと思うけど…そろそろ春を迎えても良いのでは?」

「これから秋だぞ」

「今までが氷河期だったから。」

「…イイことって?」

「な〜んか、琴乃ちゃんの周りで、熱い視線を感じて…せっかくのチャンスなのに、おまえに気兼ねしてんじゃねーかと。」

「んなことねーだろ。」

「…じゃあ、俺、テキトーに言っとくよ。駿祐には超可愛い彼女がいて、インハイも決まって絶好調だって…いいよな?」

「…今日の本題はこのこと?」

「もちろん、応援だよぉ。」
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