俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜
いつもより、時間が経つのが早く感じられた。

それは、駿祐も思っていたのだろう。


水族館や、他のパビリオンでも時間を費やし、

とうとう、家へと向かうと思いきや、

「まだ、時間大丈夫?」


駿祐のその一言で、
公園へと向かうことになった。


「この辺も、ふたりで来るのは初めてだよね?」

「そうだっけ?」

「うん。ふたりではね…あ、駿は誰かさんと来てるかも知れないけどぉ。」

「…ま、無難なスポットだからなぁ、ここは。」

「…ねぇ、今度アレ乗りたいな。」


琴乃は、向うにみえる、観覧車を指差した。

「乗ったことないの?」

「ふたりでってことに決まってんでしょ!」

「ああ〜。イイよ!行くか!」

「ちょって待って!」

「ん?」

「また、今度。」

「ふっ、なんでぇ?」

「少しづつ…いっぱい想い出、つくっていきたいから。」

「…なにソレ?」

「まだまだ、行きたいトコやりたいコト、いっぱいあるよ!忙しいよぉ、受験勉強だってしなきゃなんだからぁ。」

「あは、変なヤツ。」

「パッパと、やっつけ仕事みたいに済ませようとしないで…ゆっくり、いつまでもずっとさぁ…ね!」

「じゃあ、俺もしたいことあんだけど。」

「なぁに?」

「手つないで、良い?」

「許す!」
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