俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜
「アイツ、チビのくせして出るトコ出てるから。」

「それ、寺岡が聞いたら殺されるよ、あんた。」

「スタイル抜群ってよか、あーゆーのが、一般の男の目には止まりやすいんだよ!だから、ああやってそばに居んだぜ、駿祐のヤツ。」

「…心配なんだねぇ。」

「俺はさ、亜希ちゃんのビキニ姿が見れただけで、充分、嬉しいけど!」

「別にあんたに見せてるワケじゃないから。」

「えー。じゃあ、誰にアピールしてんの?」

「世の中の男どもに。」

「…」



見慣れていたはずの、琴乃の水着姿だったが、

3年前に比べ、だいぶ凹凸が目立つようになっていた、そのプロポーションから、

駿祐は、思わず目をそらし、
ポーカーフェイスを装っていた。


そして琴乃は、
そんな努力には、全く気付いていなかった。



それから、それぞれ、
水泳に、勉強にと時間を費やす二人は、
頻繁にメールを交わしていった。


お互いを励まし合ったり、
どうでも良い出来事の報告をしたり、
次のデートの約束もした。

そして琴乃が、できるだけ時間を合わせては、
二人で出かけ、
一つずつ、少しずつ、思い出を増やしていった。


なぜならば、

駿祐が、東京の大学への進学を、決意したからだ。


駿祐の人生にかわかるコトに、
琴乃は、色んな意味で、覚悟をしはじめていた。
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