俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜
琴乃が、話してる最中だった。


「琴乃!」

そこに姿を現わしたのは、
琴乃の彼氏の

“寺岡 慶太”だった。


「ケイちゃん!」

「…邪魔だった?」


そんな慶太の方に、向かって行きながら、

「邪魔は俺だろ。一人で先帰るっていうから、そこまで送ろうかと思ったけど、もう、イイな。」

琴乃に代わって、駿祐が弁解をする。

そして、

「ガキっぽいことすんな。ドンとかまえてろよ。」

すれ違いざまに、そう呟くと、

駿祐は、もと来た道へと戻って行った。


それからの琴乃と慶太は、
しばらく無言で歩いていた。


「ねぇ、なんか言ってよ!」

気まずくなった時、
話し出すのは、決まって琴乃の方だった。


「なんか言いたいことあんのは、おまえの方だろ?」

「…今日は、久しぶりに皆と会えて、楽しかった!まだ、懐かしがる歳じゃないしね。先生も、あんまり変わってなかったなぁ。」

「元気だった?」

「うん。特に、駿と会って話して、嬉しそうにしてたよ。」

「…」

「クラスの皆だって、駿と会えるの楽しみにしてたと思う。」

「おまえは?」

「気まずかった!ケイちゃんが、ハガキ隠したって、すぐ分かったから。」
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