俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜
慶太は、そのまま琴乃のことを見つめた。

「なに?」

「あ、ああー、兄貴と琴乃さんが話してるとこが、想像つかないなって思って」

「!そう?」

「アイツ、スカしてない?話すこととか面白いの?」

「兄弟なんだから話ぐらいはするんでしょ?わからないの?」

「俺より、琴乃さんとの方が話してるんじゃん?」

「…んー、そーだなぁ。ふざけたりするタイプではナイよね。でも、何でも話してくれて、何でも聞いてくれて…楽しいよ。」

「なんだソレ!フツー!」

「それが良いんだよぉ。」

「惚気てるし。」

「そっちが聞いたんじゃん!」

「琴乃さんは正直者だよね。ピュアって言うか…」

「天然?」

「あ、それかも」

「そうかなぁ?駿にも言われたことあるんだぁ。」

「言われたの?あはは。一番言わなそーなのに。」

「よっぽどってこと?でも、寺岡兄弟にしか言われてないけどね!」

「アイツ、あんま人のこととか言わないっしょ?」

「あ、そーかも」

「“人は人、自分は自分。だから気にすんな”って、ガキの頃、よくそうやって慰められた…それがまたムカつくんだけどさ!」

「へー。」

「冷たく聞こえるけど、アレは、自分に言い聞かせてる言葉だったんだろうなぁ。自分が一番気にしてんだよ。じゃなきゃ、そんな言葉で慰めねーだろ?」

「…そうだよ!(初めて話した時、あたしのフォームを…ミサンガだって探してくれたし、人のこと気にかけてばっかりじゃん!)言葉が足りないのかな?」
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