俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜
「俺は多すぎるんだけどね。」

「ホント、全然違うよねー!…でも、共通点はあるよ!」

「どこ?」

「ふたりとも、あたしのことを天然って!」

「…」

「あと紺野!共通の友達じゃん。」

「…」

「どうしたの?」

「共通点、確信しちゃった、俺」

「何?!」

「…それは言えない。」

「ずるい!そんな言い方されたら気になるじゃん!」

「あのさぁ、(女のタイプが一緒だなんて、言えねーだろ!)これ、買ってきていいっすか?」

「あ、ごめーん!」

「待ってて、送るから。」

「え、あ、あのね…」


レジから戻ると、
なにやらモジモジしている琴乃を見て、

「もしかして待ち合わせてるとか?」

慶太は感付いた。

「そっか。じゃあ、大丈夫だな。先、帰るわ!」

「う、うん。あ、ありがとう!」

「え、なに?」

「話、楽しかったから。」

「…なんかあったら、また…話、聞いてやるよ。じゃあ!」


店を出ていく慶太を見送った琴乃は、
雑誌をパラパラとめくりながら、駿祐を待っていた。


やがて駿祐がやってきて、二人で歩いていく姿を、
慶太がこっそり見ていたことなど、知る由もなかった。
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