俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜
駿祐の怪我について、
家族には、すぐに連絡があったのだが、
あまりにも突然のことで、なんの用意もできず
駿祐も、琴乃への連絡は、
少し落ち着いた、3日後となってしまったとか。


はじめは、痛さとの戦いに必死な駿祐だったが、
こうして、ただベッドに横たわっていると
今シーズンを無駄にしてしまったという、
悔しさが込み上げてきて仕方がない。


今まで、身体の故障に見舞われたことの無かった駿祐にとって、
こんな気持ちは、初めての経験だった。


これをバネに、次のシーズンに向け、前向きに闘争心を燃やす駿祐の病室に、

詳しいことは聞かされていない、琴乃が姿を見せた。


「大変だったね…痛いの?」

「ハンパじゃなかったよ!今は、動かせねーからわかんねーけど。」

「でも、顔色良くて安心した。」

「…心配かけて悪かったなぁ。わざわざ有難うな!」

「たいして遠くないし、いつでも来れるから良かったよ。」

「そんな長く居ねーよ、こんなとこ!」

「でも、リハビリとかするんでしょ?やっぱり…」

「まあ…とりあえず今は、膝がちゃんとくっつくことが…まだ、詳しいこと聞かされてないんだぁ…」

「そうなんだ?」

駿祐は、それまで疑いもしなかった事と直面した。

ただ漠然と、治療経過は聞かされてはいたものの、

怪我の部分が、直に見えてるわけでもなければ、動かす事もできない為、
自分自身、どんな状況なのか確認できない今

冷静に、自分の足のこれからについてが、急に気になり、不安を感じはじめたのだった。
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