俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜
「いや〜!今日の琴乃ちゃんは大胆だなあって!」

「!」

「あ、ウソです!何でもナイ!」

「…」

「どうする?この時間だとファミレスか?」

「いいよ。」

「うっし。じゃあ、あそこの」

「ホテルでも…イイよ」

「え?」


自分で言っておきながら、
急激に、耳の辺りが熱くなり、
顔が赤くなっていくのが分かった。

それがバレぬよう、下を向きながら、
何も言い返してこない、駿祐の反応が気になっていると、

「ごめん。」


耳に入ってきた言葉に
力一杯、目を閉じた琴乃は、
次の瞬間、
両頬を、駿祐の大きな手に覆われると、
されるがまま、上を向かされ、
驚いた拍子に目を開けた。


「女の方から、そんなコト言わせて…誘導したみたいだったよな、俺。」


そこには、優しく微笑んだ駿祐の顔があった。


「…ホントだもん。」

「…」


琴乃の顔から下ろした、駿祐の手を掴み、琴乃は続ける。

「まだ、一緒に居たいんだもん。できれば邪魔のいない、二人きりになれるところで…。」

「あは。でも俺、そんなトコ行ったら…お話だけじゃ」

「わかってるよ!」

「!」

「もう、子供じゃないんだから。」

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