またあの日と同じ場所で
1.転入生
春――
今日からは新学期。
だけども、変わりない登校風景。隣にいるのは親友の愛香(まなか)。幼い頃から一緒だった。
私たちが通う桜丘高校は、小さな丘の上に昔からある古い学校。今も人気は衰えないから、ひと学年に少なくとも毎年8クラスはあるような学校だ。
校門の先には、人だかりが出来ている。クラス分けの発表があるんだ。
「私のクラスは……」
「あっ!やったね郁乃!今年も一緒だよ!」
「ほんとだ、一緒だね。」
今年も愛香と同じクラスであることに喜んでいると、後ろから声をかけられた。
「あの……」
「はい?」
「職員室はどこか教えてもらえますか。」
「えっと、昇降口から入って左に曲がってすぐてすよ。」
「ありがとうございます」
そういって彼は去っていった。
「見たことない顔だけど、郁乃知り合い?」
「ううん、多分知らない人。」
早足に去る彼を尻目に私たちは教室に向かった。
教室に着いたら、お互い自分の席につき、先生がやってくるのを待つ。ぼんやりと窓の外を眺めていると先生がやってきた。
「おはよう皆。今年一年皆の担任をさせてもらう、吉野敬之(よしのたかゆき)だ。今後ともよろしく頼む。」
あの先生基本熱血だからいやなんだよな……。
「早速だが、皆にお知らせがある。このクラスに転入生がきたんだ。」
転入生?
「それじゃ入ってきてくれ、山口くん!」
今日からは新学期。
だけども、変わりない登校風景。隣にいるのは親友の愛香(まなか)。幼い頃から一緒だった。
私たちが通う桜丘高校は、小さな丘の上に昔からある古い学校。今も人気は衰えないから、ひと学年に少なくとも毎年8クラスはあるような学校だ。
校門の先には、人だかりが出来ている。クラス分けの発表があるんだ。
「私のクラスは……」
「あっ!やったね郁乃!今年も一緒だよ!」
「ほんとだ、一緒だね。」
今年も愛香と同じクラスであることに喜んでいると、後ろから声をかけられた。
「あの……」
「はい?」
「職員室はどこか教えてもらえますか。」
「えっと、昇降口から入って左に曲がってすぐてすよ。」
「ありがとうございます」
そういって彼は去っていった。
「見たことない顔だけど、郁乃知り合い?」
「ううん、多分知らない人。」
早足に去る彼を尻目に私たちは教室に向かった。
教室に着いたら、お互い自分の席につき、先生がやってくるのを待つ。ぼんやりと窓の外を眺めていると先生がやってきた。
「おはよう皆。今年一年皆の担任をさせてもらう、吉野敬之(よしのたかゆき)だ。今後ともよろしく頼む。」
あの先生基本熱血だからいやなんだよな……。
「早速だが、皆にお知らせがある。このクラスに転入生がきたんだ。」
転入生?
「それじゃ入ってきてくれ、山口くん!」
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