無理矢理繋いだ赤い糸
彼と、今Ⅱ。
*
なにを着て行こうかと迷っていた私の後ろで、ベッドに腰掛けた彼がとにかくうるさかった。
割とタイトでシックなパーティドレスを着れば身体のラインが丸見えでイヤラシイ、と言い。
それなら、と胸元で切り替えの入ったバルーンワンピースを着れば、胸元が強調されてるのとか首から肩の辺りが丸出しなそれをイヤラシイ、と言う。
面倒になってシルクのブラウスに比較的タイト目で裾が綺麗にフレアーになるスカートを選べば、イケナイ女教師っぽくて変にエロいからパス、と言われる。
「貴方に関係ないじゃない!」
と、口から飛び出しそうになった言葉を飲み込んだのは、余計な事を言って彼を怒らせたくないから。
いつでも理不尽な彼の怒りに巻き込まれると、辛い思いをするのは自分だって、もう嫌って程よく分かっているから。