伝え忘れた想い。
「今日も幸子ちゃんと帰るの?」
「仕方なくですかね」
仕方なくってなにさ、仕方なくって。
「432円です」
「はいよ」
「502円お預かりします」
「いいわぁ、あたしも若く戻って青春を謳歌したいわ」
「別に家に帰ることを青春を謳歌してる訳じゃあ」
「ッ、70円のお返しです」
竹村さんに対するリンダ先輩のツッコミに笑いそうになりながらおつりとレシートを渡す。
「サンキュ、じゃあいつもの所で待ち合わせな」
リンダ先輩は笑って何時もの様にあたしの頭を撫でるとスーパーから出て行った。
あたしは何時もの様に撫でられた頭が熱くなるのを感じた。