伝え忘れた想い。
「お疲れ様でした」
「お疲れ様」
21時に上がると、まだ残る人、一緒の時間に上がる人に挨拶をすると裏から出る。
スーパーの表へ出ると隣にある公園のベンチに向かう。
公園に入るとベンチには何時もの様に座って真っ暗な夜の中、携帯の灯りがあった。
「リンダ先輩っ」
その灯りの持ち主に入口から声を掛ける。
「おっ、来たか」
リンダ先輩は立ち上がると、携帯を閉じて入口の方に歩いて来る。
そして
「お疲れ」
また頭を優しく撫でてくれた。
「帰るか」
「はい」
一緒に真っ暗な帰り道を歩き出す。