伝え忘れた想い。


いつもより表情が優しい。

良い人と出会えたんだ…。



「大学のサークルの2つ上の先輩よ。

彼はもう卒業していないけど定期的に連絡は取ってたの。

ずっと片思いだと思ってたのが付き合えることになれてとても嬉しいの」



そう言って笑う金森は今まで見た中で1番可愛いかった。



「金森、本当に良かったね!今度会わせてよ」



「そうね」



「金森をそんな可愛いくさせる程だもん、彼氏さんすごい人なんだろうな」



幸せそうな金森にひやかした笑みを向けたが、

金森はさっきまで見せていた表情とは打って変わって真剣な表情になっていた。




「どうしたの?」




金森は1度深呼吸すると、真っ直ぐあたしを見つめた。



「縁あって、あたしの彼氏ね…リンダ先輩の親友なの」



「え…」



「彼から聞いたら……リンダ先輩、まだ見つかってないの」



金森に彼氏ができたより衝撃な発言に声を発することができない。


そんなあたしを辛そうに見ながら金森は続ける。



「行方不明者は何年かしたら死亡したことになるの…それで彼がリンダ先輩のお母さんから言われたらしいの。

もう亡くなったことにするって…」



「死…んだの?」



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