伝え忘れた想い。
留めどなく溢れていた涙が落ち着き、冷静になれた瞬間、金森はゆっくり口を開いた。
「一応葬式を行うらしいの」
「…そうなんだ」
「また日にちが決まったら彼が教えてくれるの。
だから庄司、行こう?」
「……」
「あたしも行く。
そして現実を受け止めよう?」
現実…リンダ先輩を死亡として受け止めること。
本当にあたしにできるのだろうか。
「リンダ先輩を忘れるわけじゃない、過去にするの」
過去に…。
あたしはゆっくり頭を縦に降った。