妖しがりて寄りてみるに

窓の外の景色は、
飛ぶように過ぎ去っていく。


心地よい揺れが、だんだん私の脳みそを麻痺させていく。


朝ごはんを食べる間もなく、私は眠りについていた。



夢を見ることもなく、気がついたら終点。
私が降りる駅に着いていた。


首が少し痛いけど、寝てたから楽だった。



次は電車に乗り継がなきゃ。



足早に新幹線から降りる。
途中、売店で冷たいジュースを買った。


電車でごはん食べようかな。
時間は、まだ9時前。
こっからが長いのかぁ。



乗り継ぎの電車は、もう来ていた。
特急じゃないんだ…


人もまばらな電車の中のボックス席に一人で座った。



ごはんを食べながら、パパの田舎を思い出していた。


たしか、おんなじくらいの従兄弟がいた気がする。


遊びに行ったのなんて、遠い昔で、朧げにしか思い出せない。

すごく曖昧だけど…たしか、すっごく大きな家だった気がする。


庭とかも広くて、かくれんぼして遊んだような…

家の中だっけ?


私が小さかったから、大きい家に見えたのかもしれないけど…


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