妖しがりて寄りてみるに
「いいのよ。かしこまった挨拶なんて。
こちらこそ、よろしくね!思いきり息抜きしていってちょうだいね。」
「はい!」
きっとパパのお兄さんの奥さんだろう。
気さくな感じが、すごく嬉しい。
従兄弟たちに会うのも楽しみになってきた。
顔は全然思い出せないけど〜。
バス停から5分かからずに、パパの実家に着いた。
「さぁ、お疲れ様。
お風呂沸かしてるから、よかったら入ってね。
今日は早めにゆっくりしたいでしょ?」
「ありがとうございます」
私はにっこり笑いながらお礼を言った。
本当に早く、くつろぎたい。
駐車場から、おばちゃんに着いて家の前に立ったとき、やっぱり少し驚いた。
私が小さかったから、じゃなくて本当に大きいお屋敷だ。
年数はいってるみたいだけど、しっかりとした日本家屋で、お屋敷って言葉がピッタリ。
玄関もビックリするくらい広い。
「さぁ、どうぞ」
「おじゃまします」
思わず、家の中を見渡してしまう。
ずっと奥まで続いている廊下。
襖開きの部屋の数々。
テレビでしか見たことないような骨董品。
思わず、ため息がでる。