妖しがりて寄りてみるに

「いいのよ。かしこまった挨拶なんて。
 こちらこそ、よろしくね!思いきり息抜きしていってちょうだいね。」


「はい!」



きっとパパのお兄さんの奥さんだろう。

気さくな感じが、すごく嬉しい。


従兄弟たちに会うのも楽しみになってきた。

顔は全然思い出せないけど〜。



バス停から5分かからずに、パパの実家に着いた。


「さぁ、お疲れ様。
 お風呂沸かしてるから、よかったら入ってね。
 今日は早めにゆっくりしたいでしょ?」

「ありがとうございます」

私はにっこり笑いながらお礼を言った。


本当に早く、くつろぎたい。



駐車場から、おばちゃんに着いて家の前に立ったとき、やっぱり少し驚いた。


私が小さかったから、じゃなくて本当に大きいお屋敷だ。



年数はいってるみたいだけど、しっかりとした日本家屋で、お屋敷って言葉がピッタリ。


玄関もビックリするくらい広い。



「さぁ、どうぞ」

「おじゃまします」


思わず、家の中を見渡してしまう。

ずっと奥まで続いている廊下。
襖開きの部屋の数々。

テレビでしか見たことないような骨董品。


思わず、ため息がでる。


< 13 / 58 >

この作品をシェア

pagetop