妖しがりて寄りてみるに
みんなの生活スペースは、玄関から入って右の廊下に固められてるみたいで、台所やリビングもそこにあった。
お風呂以外の水回りは改装してるみたいで、すごくキレイ。
晩ご飯は、カレーにから揚げに、ハンバーグ、サラダ、メロンが用意されている。
「日和ちゃん、なにが好きかわかんないから、いっぱい作っちゃった。」
おばちゃんは、わっはっはっと笑ってる。
「えっと、こっちが見てのとおり、お父さんで、おばあさん。
謙一郎と美沙よ。」
おばちゃんは、座っている順に紹介してくれた。
「よろしくお願いします。」
私は深々と頭を下げた。
「おお、日和ちゃん見違えちゃったなぁ〜」とおじさん。
「日和ちゃん、高校一年でしょ?
勉強教えてよ」
人懐っこい笑顔で美沙ちゃんが、そう言った。
「美沙は、中1だから…よかったらお願いね」
おばちゃんも、後押ししてる。
「宿題、一緒にしようね」と美沙ちゃんに言ったら、すごく嬉しそうに頷いてくれた。
「日和ちゃん、よろしくな」
謙一郎くんは、がっしりとした体格で背もすごく高い。
「謙一郎は高校二年。
部活バカだから、ほとんど家にいないから〜」
おばちゃんが補足してくれる。