妖しがりて寄りてみるに
「さあ、食べようか」
おじさんが言った。
蓮くんの分は後から持っていくのかな?
この家族は、この人達だけで完成してるみたいで、ひっそりとした部屋にいる蓮くんを思うと、なんだか切なくなった。
なんで、怖いって思っちゃったんだろう。
後から、たくさんお話しよう。
目の前にあるカレーを口に運びながら、そんなことを考えた。
てか、カレーもから揚げも、ハンバーグもすごく美味しい!
太らないように気をつけなきゃ、これからヤバイかも。
お腹が空いてて、少々ガッツキ気味の私を、おばちゃんは嬉しそうに見てた。
「美味しかったです。ごちそうさまです。」
「食器は、食洗機の中に入れて置いてね。
あと、さっきお願いしたの、そこに置いてるから、よろしくね」
私はお盆に載せられた食事を持って、リビングを出た。
みんな、人懐っこくて良い感じ。
蓮くんのことで違和感を感じること以外は、なんにも心配することはなさそう。
私はホッとしながら、薄暗い廊下を進んで行った。