妖しがりて寄りてみるに
戸惑い

トントン…とノックをする。

「どうぞ」


私は、少し緊張しながら部屋に入った。


「待ってたよ」


にっこり笑いながら蓮くんが言った。


やっぱりドキドキするよ。



テーブルの上が空いてたから、そこにお盆を載せた。


「ねえ、ヒヨちゃんゲームしようか」

蓮くんがいきなりそんな提案をした。

「うん、いいよ。」

私は少しおもしろくなって返事した。


「僕が勝ったら、このごはんを食べさせてよ。
 で、ヒヨちゃんが勝ったら、僕がヒヨちゃんの髪の毛をかわいくする」

蓮くんが言った罰ゲームがかわいくて、私はウンて頷いた。


「ゲームは簡単だよ。
 この二枚のカードをそれぞれ取って、白い方が勝ち。黒い方が負け。」

蓮くんはトランプくらいの大きさのカードを、私に見せて言った。


カードは、二人の目の前に並べられる。


「ヒヨちゃんからどおぞ」

言われるがままに、カードを取る。


せーので見せあいこすると、蓮くんのカードが黒だった。



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