妖しがりて寄りてみるに

「可愛いよ。ヒヨちゃん」


そう言った蓮くんの指が、私の頬に触れる。



見つめられたら動けなくなるなる蓮くんの瞳に吸い込まれそう。

私は目を開けたまま、蓮くんとキスを交わした。



不思議と全然嫌じゃない。

蓮くんのキレイな顔が、遠ざかっていくのが少し寂しくさえ思えた。



「ゴメンね。
 あんまり可愛かったから」

にっこり笑いながら、蓮くんが言った。




「ごはん食べる間、いてくれるかな?」

私は、思わず頷いた。



変なの。

彼氏いるのに。

蓮くんも、それ知ってて

怒っていいはずなのに…


全然、嫌じゃない。



それよりも、嬉しかった。


私って、もしかしてサイテーな女の子なのかな。



わかんないけど、
もっと蓮くんが知りたい。



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