妖しがりて寄りてみるに
「ただいま〜」
私は玄関で靴を脱ぎながら、家の中がなんだかざわついてるのを感じた。
「おかえり〜。
ずいぶん早かったのね〜」
パタパタとスリッパを鳴らしながら、ママが出てきた。
「すぐ帰って来いって言ったじゃん!」
「そうよ〜」
いつだって拍子抜けするマイペースママが私の母親。
「なに?話って」
「ちょっと日和ちゃん、こっち来てよ」
私はカバンを階段の下に置いて、リビングに向かった。
そこには、パパと弟と、見慣れないおねーさん。
私はドキッとした。
まさか
まさか
パパが!?
そんなこと…
いつだって、家族思いのパパだった。
私の大好きなパパ。
嘘………
一気に頭の中が真っ白になる。
でも、この状況って、他に…