妖しがりて寄りてみるに
「ずっとキスしたいって思ってた。
彼氏なんて関係ないよ?
ヒヨちゃんは僕のモノにするから。
覚悟しといて。」
宣戦布告のようなその言葉は、蓮くんの優しい声では愛の囁きにしか聞こえない。
だって、目の前のこの人に、触れたくて触れたくてしょうがないよ。
蓮くんの言葉で気がついた。
好きなんだ、私も。
その日を境に、篤くんに連絡するのをやめた。
自然消滅を望んでる私は最低だと思う。
でも、好きな人ができたから…って言っても、きっと納得はしない。
いっそのこと、新しい彼女でも作ってくれればいい。
て、本当に最低かも。
でも、もう蓮くんしか見えないし、見たくない。