妖しがりて寄りてみるに
1番に口を開いたのはママだった。
「日和ちゃん。実は家を立て替えることにしたのよ。」
…へっ!?
「やっと、頭金が作れてね」
すっごく嬉しそうなママ。
訳がわからない私。
「このおねーさんは?」
私は力無く、1番の疑問を投げかけた。
「こちらは設計士さん。とてもステキな設計を考えてくれてるのよ。
あなたも要望があったら伝えてね。」
なるほど。
なるほど。
やられた感いっぱいです。
サプライズ?
なるほど、これはサプライズだよね〜。
私は、必死で自分の心を静かにさせる。
「でね、明日から工事を始めてもらおうと思ってるの。」
「そーなんだぁ〜」
「家の大荷物とママと陽向(ひなた)は、ママの実家で工事の間、生活して、パパはちょうど長期の海外出張が入るから、行ってもらって…」
「…私は?」
「日和ちゃんは、パパの実家に夏休みの間、お世話してもらうことにしたから。」