妖しがりて寄りてみるに

月明かりに照らされて、
満足そうに微笑む蓮くんの顔が見えた。


私の頬には、何筋かの涙が流れた。



気持ちよかったから?

罪悪感から?


わからないけど

蓮くんと一つになっても、心の中のサミシイ気持ちはなくならなかった。



触れても

触れても

もっと触れたい。



ずっと一つになっていたい。




きっと、篤くんと体を重ねたとしても、こんな気持ちにはならなかっただろう。



やっぱり蓮くんは
私にとって、何か特別なんだと思う。



蓮くんは、優しく私の頬を伝う涙を拭ってくれた。

優しい優しいキスをくれて、頭をずっと撫でてくれた。






その日を境に、
屋根裏部屋は私と蓮くんが愛を確かめ合うための、秘密の部屋になった。



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